登山をする上で必須装備の一つがリュック。
みなさんは登山のリュック、何でも良いと思っていませんか?
結論を言うと、登山をするなら登山専用のリュック(ザック)が必要です。
なぜ、登山専用の方が良いのでしょうか。
そして、初心者はどのサイズ(容量)やメーカーのザックを選べば良いのでしょうか。
今回は主に初心者の方向けに、日帰りから山小屋泊、テント泊まで目的に合わせたザックの選び方をご紹介します。
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目次
登山用ザック(リュック)とは?

まずは登山用ザックについて簡単に説明します。
登山で使うリュックはザックやバックパックなど呼び方はいろいろありますが、僕は基本的にザックと呼んでいます。
ザックは普通のリュックに比べて生地は厚めで、背面パッドやショルダーハーネスもしっかりとした構造になっています。
ウエストハーネスも付いており、腰回りで重い荷物を支えられるようにもなっています。
また、全体的に頑丈な作りで耐久性が高いのも特徴です。
ただ、初心者からしたら「ここまで頑丈なザック必要?」ってなると思います。
なぜ、登山ではこのような機能が必要なのか、次で解説していきます。
登山用ザックの特徴
背負いやすい&疲れにくい
登山専用のザックがもたらしてくれる最も大きいメリットは「背負いやすさ」と「疲れにくさ」です。
登山では水やお弁当、行動食、レインウェアなど重い荷物を背負って長時間歩き続けなければなりません。
ですので、登山専用のザックは長時間の登山でも疲れにくく背負いやすいように設計されています。
例えば、登山専用のザックは人間の体にピッタリフィットするように作られているため、背負った時のムダな隙間がなく荷物がブレにくいです。
がっしりと安定感のあるウエストハーネスで肩にかかる荷重を腰にも分散させることにより、肩の疲れを軽減させることができるのです。
また、ザックでも背面がメッシュになっているもでるは通気性に優れていて、汗で蒸れにくいメリットもあります。
登山で便利な機能がたくさん
登山専用ザックには登山で便利な機能がたくさん盛り込まれています。
例えば、一番下の荷物でも取り出しやすいようにフロント側からアクセスできるポケットが付いているザックも多いです。
急に雨が降ってきた時、レインウェアが下の方にあったら取り出すのが大変ですよね。
フロントポケットが付いていれば、すぐにレインウェアを取り出せるので便利です。
また、ポケットの数も多く、ペットボトルやストック、地図、貴重品などそれぞれ分けて収納できるのがうれしいですね。
他にもいろいろとありますが、登山で最も大切な「必要な時に必要なモノをサッと取り出せる機能」が、登山専用ザックにはあります。
耐久性に優れている
登山専用ザックは重い荷物を入れて長時間耐え続けられるように、耐久性の優れた素材で作られています。
木の枝や岩に擦れても簡単に破れません。
また、リュックで最も壊れやすいショルダーハーネスは特に頑丈な作りになっています。
もしショルダーハーネスが壊れたら背負えませんし、リュックを持って帰るだけでも大変ですよね。
普通のリュックは重い荷物に耐えられずに壊れてしまう可能性がありますが、登山専用ザックはめったに壊れることはありません。
登山用ザックの選び方
必要なザック容量の目安は?
ザック選びで一番悩むのはサイズ・容量だと思います。
登山専用ザックには小さいものから大きいものまで実にさまざま。
大きさによって用途も変わってきますので、最初の容量決めが重要となります。
では、具体的にどの容量を選べば良いのか。
以下の表を参考にしてみてください。
容量 | 用途 |
---|---|
10〜25L | 軽いハイキング向け |
25〜40L | 日帰り、山小屋1泊向け |
40〜50L | 山小屋1泊、テント泊(1〜2泊)向け |
50〜80L | テント泊(3〜4泊)向け |
80〜100L | 長期縦走向け(1週間以上) |
上記の容量はあくまで目安なので、人によっては変わってくるかもしれません。
ただ、初心者で日帰り登山がメインの方は25〜30Lあたりが最適です。
僕の場合、日帰り登山はいつもドイターのフューチュラ(28L)を使っています。
山小屋1泊の場合はアンダーウェアの着替え込みでも35Lあれば大丈夫です。
もし山小屋泊する機会があるのでしたら、思い切って35〜40Lのザックを買ってしまうのも手です。
40Lザックは30Lのものより一回り大きく感じるかもしれませんが、気になるほどではありませんよ。
テント泊となると最低でも40L以上は欲しいです。
テントだけでなくポール、シュラフ(寝袋)、ガスストーブ、食料も必要ですからね。
僕はテント泊の時はグレゴリーのバルトロ(75L)を使っています。
本当は65L前後で十分に足りるんですが、大は小を兼ねるっていいますし(笑)
ザックを選ぶポイント
容量が決まったら、次はどのメーカー、モデルを選ぶかですよね。
そこで、ザックメーカーを選ぶ際に意識したいポイントが以下の5つです。
- 背負いやすいかどうか?
- 収納は使いやすいか?
- サイドポケットが付いているか?
- ザックの底部から荷物をカンタンに取り出せるか?
- レインカバーが付属しているか?
一つ一つ説明していきますね。
①背負いやすいかどうか?
登山専用ザックは背負いやすいように設計されていますが、メーカーによって形状や特徴が異なるため背負い心地が全然違います。
背負いやすすさも個人差があるので、こればかりは実際に自分で背負ってみるしかありません。
背負った時に背中にピタッとフィットするか、ショルダーハーネスやウエストハーネスのつけ心地は良いか、など実際にアウトドアショップに行って確認しましょう。
登山用品に詳しいスタッフに聞けば丁寧に選び方を教えてくれますよ。
②収納は使いやすいか?

収納の使いやすさも選ぶ上で大切なポイントです。
内ポケットの構造はどうなっているか、小物を分けて収納できるか、取り出しやすいか・・・
など、実際に登山で持っていく荷物を入れているところをイメージしながら選ぶと良いでしょう。
③サイドポケットが付いているか?

登山用ザックでサイドポケットはなくてはならない機能です。
サイドポケットはあらゆるシーンで活躍します。
すぐに取り出して飲みたいペットボトル飲料、またはザック内に収納しきれないストックやテントのポールなどを収納できる唯一のスペースです。
基本的にどの登山専用ザックにもサイドポケットは付いているはずですが、メーカーによってポケットの大きさや素材も異なります。
ポケットはなるべく広く、そして伸縮性のある素材のものがベストです。
④ザックの底部から荷物をカンタンに取り出せるか?

必要なモノをすぐに取り出せる機能もザックの必須条件です。
ザックにはたくさんの荷物を詰めることになりますが、いざ出そうという時にすぐに出せないでは困ります。
そこで、一番取り出しにくい底部からもすぐに取り出せるポケットがあると便利です。
基本的にどのザックも底部からアクセスできるポケットが付いています。
また、ほとんどのメーカーではザックが「2気室構造」といってザック内側が上下2部屋に分かれているため、レインウェアなどすぐに取り出したいものを底部に入れておけばすぐに取り出すことができます。
⑤レインカバーが付属しているか?

雨が降った時のためにザック用のレインカバーも必要です。
レインカバーが付いていない場合は別売りで買う必要があります。
ただ、最近のモデルはレインカバーが付属しているものが多いです。
レインカバー付属モデルのメリットは、
- レインカバー専用のポケットが付いている
- 風で飛ばされないようストラップが付いている
- 専用のレインカバーなのでぴったりフィットする
これに尽きます。
風が強くてレインカバー飛ばされることって結構あるので、ストラップ付きは何気に便利な機能ですよ。
おすすめのメーカー・モデル3選
ザック一つでも色んなメーカーがあるので悩むかもしれません。
そこで、色んなメーカーの中でも初心者が使いやすくてオススメできるメーカー・モデルを3つ厳選してご紹介します。
1.ドイター(フューチュラ)
[ドイター] deuter フューチュラ 28 D34214 4700 (グレー×ブラック)
日帰りの登山がメインの方はドイターのフューチュラ(28L)がオススメです。
僕も愛用しているモデルですが、フューチュラは収納がとても使いやすいです。

ポケットの数も多く、ポケット内にはモノを繋ぐフックもあります。
チェーン付きの財布を中に繋いでおけるので便利です。盗難防止にもなります。
また、ザックの内側が上下2部屋に分かれているので、すぐに必要になるものを下に入れておけばパッと取り出せて便利です。
背中はメッシュ構造なので通気性が良く蒸れにくいです。
底部にはレインカバーも付属しています。
日帰り登山だけでなく山小屋1泊登山でも使えるので、何かと万能ですよ。
2.オスプレー(ケストレル)
オスプレーはアメリカ発祥のアウトドアブランドで、本格的な登山から普段使いまでさまざまなザックを開発してきました。
ケストレルやイーサーなどの人気モデルを次々を生み出し、実用性の高さと優れたデザインから日本でも根強い人気があります。
実は僕、最近ケストレル(38L)を購入したばかり。
ドイターメインで使っていましたが、機能性はドイター以上に優れていると感じました。
特にすごいと思ったのが、ストックを以下のようにサイドに収納できるシステムです。

登山道でもストックが使えない場所ではいったんストックをしまわなければなりません。
そんな時、歩行時にザックを下ろさずにストックを出し入れできるので本当に便利です。
他にもハイドレーションシステム専用のポケットがあるなど、ザックの中では最も実用性に優れたモデルだと感じました。
ただ、ザックの内部に内ポケットが無いのが残念。それ以外はパーフェクトです。
3.グレゴリー(バルトロ)
グレゴリーは大型ザックの中で根強い人気のあるメーカーで、登山だけでなく旅行用にも使える万能ザックです。
実際にグレゴリーを使っている友人も、登山用ザックはどれもグレゴリーにそろえているほど気に入っています。
僕もテント泊の時はグレゴリーのバルトロを使っていますが、グレゴリーのザックは
- ウエストハーネスががっしりして安定している
- 背負った時の違和感がなく心地よい
- 長期間背負っても疲れにくい
以上のように感じました。
3年前にはバルトロを使って唐松岳〜白馬岳〜白馬鑓温泉と3泊4日で縦走しましたが、長時間使っていても肩や首が痛くなることはあまりなかったです。
(その時背負った荷物は約25kgです)
バルトロは山小屋1泊する方や1泊以上テント泊する方にオススメできるザックです。
まとめ
以上、ザックの特徴から選び方、おすすめのザックまでをご紹介しました。
今までのおさらいをすると、
- 登山用ザックは背負いやすく疲れにくい
- 登山用ザックは便利な機能が多く使いやすい
- ザックを選ぶ時は店で実際に背負ってみる
- 日帰り登山メインなら25〜30Lが最適
- 山小屋1泊も考えるなら35L前後という選択肢もアリ
- テント泊するなら50〜65Lあるとベスト
以上です。
ぜひ、ザックを選ぶ際の参考にしてみてください。